源泉徴収された配当課税は還付できる‼

皆さん、住民税の申告をしたことはありますか。

『広報かまくら』の昨年1215日号に「上場株式等の配当等については、所得税と市・県民税で異なる課税方法(申告不要/総合課税/申告分離課税)を選択できます」
という案内記事が掲載されましたが、この意味するところを理解された方はどのくらいいるでしょうか。 

資産運用で上場株式を証券会社の特定口座(源泉徴収あり)で保有していると、配当を受け取る際には、所得税15%と住民税(市・県民税)5%が源泉徴収されています。
配当に掛かる税金は、原則としてはこれで完結するので、このままにしておけば所得税も住民税についても「申告不要」を選択したことになります。 

これを、確定申告して配当の「総合課税」を選ぶと、まず源泉徴収された所得税の15%は還付され、新たに配当を含む(総合)課税所得で所得税が計算されます。
例えば課税所得が330万円以下の方であれば、所得税の適用税率は10%ですから、配当への課税も10%となります。
但し、配当控除が10%ありますから、配当に掛かる所得税は差し引きゼロとなり、結果として源泉徴収された所得税15%が還付されることになります。 

住民税については、このまま申告をなにもしないでいると、所得税と同じ課税方法が適用されるので、配当についても住民税の「総合課税」扱いとなり、
源泉徴収された住民税の5%は還付されますが、新たに住民税所得割10%が課税されます。住民税でも配当控除はありますが2.8%ですから、住民税だけをみると
正味7.2%の課税となり、「申告不要」で済む源泉徴収の5%より多く課税されることになります。

それでも、所得税と住民税を合わせてみれば、源泉徴収された20%が7.2%になるのですから、配当については源泉徴収されたままにせずに、「総合課税」として
確定申告をすると配当の12.8%が還付されるメリットがあると言えます。 

但し、ここで注意しないといけないのは、住民税で配当の総合課税が適用されると、配当金額が国民健康保険料の算定の基礎となる所得金額に加算されるので、
知らないうちに国民健康保険料が高くなることです。
国民健康保険料の所得割は、自治体によりますが10%前後とかなり大きな負担ですから、場合によってはわざわざ総合課税を選択した意味がなくなりかねません。 

そこで、上述の案内『課税方法の選択』が大きな意味を持つのです。
配当について、税務署で確定申告をして所得税では「総合課税」を選び、住民税では市役所に足を運んで「申告不要を選択する」と申請すれば、源泉徴収された
所得税15%は還付され、住民税は源泉徴収された5%のままで完結し、更に国民健康保険料が増額されることも避けられます。 

課税所得が330万円を超えるとメリットは小さくなり、逆に900万円を超えると源泉徴収されたままにしておいたほうが得になりますが、年金生活で国民健康保険に
加入している方は、上記にあてはまるケースがかなり多いのではと思われますので、ご自分の年金所得と配当所得はどうなっているか、
一度見直しをしてみる価値があるのではないでしょうか。

 

文責 高橋一夫(CFP/1FP技能士)

コメント

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