夢と未来(13) 位置情報

私はよくスマートフォンで位置情報アプリを利用しています。
出かけた時にカーナビゲーションシステムやスマートフォンで目的地を設定すると誘導してくれますし、子供や家族の居場所や安否確認も可能にしてくれます。
なぜ、このような事が可能なのでしょうか? 調べてみる事にしました。

これを可能にしてくれるのは人工衛星(測位衛星)です。
その衛星から送信された信号を、受信器(スマートフォンなど)で受けて自分の位置を割り出しますが、1基だけでは位置を特定する事ができません。 正確な位置を出すには少なくても4機の衛星が必要になります。

全世界をカバーするには、地球上のどこからでも4基の衛星からの信号をキャッチすることが必要なので、最低でも24基の衛星が必要といわれています。
ちなみに、現在、全世界をカバーしているのは、米国の『GPS』 31基、ロシアの『グロナス』 24基、欧州連合の『ガリレオ』 24基、中国の『北斗』 34基です。 他に、自国周辺に限定した衛星「準天頂衛星システム」 は日本の『みちびき』 4基とインドの『IRNSS』 6基です。

日本は2018年度前半までは米国の測位衛星GPSが使用されていました。その当時の測位誤差は5~10mでした。
日本は2017年に測位衛星『みちびき』4号機が打ち上げられて4基体制になり、2018年11月からサービス提供が始まりました。
『みちびき』は従来の米国GPSと組合わせることで数センチ単位まで高精度にする事が可能になりました。
但し、自国(日本)周辺に限定した衛星「準天頂衛星システム」ですので、世界全体のカバーは出来ません。

一般に上空を飛ぶ衛星の数が多いほど、測位の精度が高まります。
中国は測位衛星『北斗』を2018年度以降に21基打ち上げ、現在34基が飛行しています。
現在、『北斗』の誤差は5~10mですが、まだ米国のGPSの測位精度にかないません。 その為に更に衛星を打ち上げて、誤差をセンチメートルレベルに縮める技術を開発中です。中国は米国を意識して、自国独自の開発で進めています。

測位衛星はカーナビゲーションシステムやスマートフォンの地図アプリ、船舶の航行システムに使用されていますが、今後は精度が高まる事で車やドローンの移動走行・飛行への応用範囲が広がると予想されています。
しかし、元々、測位衛星は日欧以外は軍事目的ですのでミサイル誘導などの軍事目的に開発されています。そのためには自国以外の衛星が使用できなくなる事も考慮している様です。そのような事がないように、災害時などの人類平和利用に使用して頂きたいものです。

 

K.I